自社ビジネスを十分に把握し、知財、すなわち、知的情報のかたまりが自分たちのもとにある、若しくは創り出す必要があることが分かったとして、具体的に『何から手を付けたらよいか分からない』という場合も多いと思います。
つまり、知財をビジネスで「使える」ようにするにはどうするか?ということです。
「使える」というには知財担当者だけが把握できるようにするだけでは十分ではありません。関係者のすべてが同様に「使える」ようにすることが重要です。
知財は「知的情報のかたまり」、つまり、「情報」ですので有体物とは異なり、手に取ることができません。皆さんの頭の中に何かのアイデアがあったとしても、それを他の人に伝えるためには、頭の中のアイデアを外に出して第三者に渡せるようにする必要があります。
そこで出てくるのが「知財カタチ化®」です。
自社のビジネスに存在している知財、隠れている知財、更にはこれから必要となる知財を抽出・特定・創出し、文章や図面等に固定し、見える化する、ということです。アイデアを文章等で適切に表すことが難しい場合もありますが、そこは試行錯誤して取り組むか、弁理士等に意見を聞きつつ取り組むことが多いようです。
これにより、自分たちが実際に有している知財、これから必要となる知財がカタチとして現れ、特許権や商標権等の知的財産権に仕立て上げるべきなのか、ノウハウや営業秘密等として秘匿化していくべきなのか、又は権利化も秘匿化もせずに世の中にオープンにしてしまうのか等を複数の人々の間で検討することができます。
しかも、カタチ化したとはいえ知財は「情報」であることから、いくら使い回しても摩耗しませんし、ある知財と他の知財とを融合することも自由自在です。
このようなことを複数の人々が協働してできるようにするため、「知財カタチ化®」によって自社内のどこにどのような知財があるか、あるいはなければならないかを見出します。そして、見出した知財を少なくとも自社の社員がいつでも使えるようにカタチしておけば、戦略に合わせてカタチ化した知財の利活用方法を検討することが容易にできるようになります。
by 今 智司
