特許・実用新案を取れるもの
特許・実用新案を取得できる「技術的なアイデア」にはどのようなものがあるでしょうか。例を見てみましょう。
対象の例 | 特許 | 実用新案 | 説明 |
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新しい構造のおもちゃ | ○ | ○ | 「物」に関するアイデアなので特許も実用新案も取れます。 |
海苔の新しい養殖手法 | ○ | × | 「方法」に関するアイデアなので特許を取れますが実用新案は取れません。 |
新しい写真データ解析プログラム | ○ | × | コンピュータープログラムに関するアイデアなので特許は取れますが実用新案は取れません。 |
新しい暗号アルゴリズム | △ | × | 純粋なアルゴリズムだけでは自然法則を利用していないので特許も実用新案も取れません。しかし、暗号アルゴリズムを利用したコンピューターシステム全体についてであれば特許を取れる可能性があります。 |
新しい集金方法 | △ | × | 純粋な「ビジネスのやり方」は技術的思想ではないので特許も実用新案も取れません。しかし、集金方法を実装したコンピューターシステム全体についてであれば特許を取れる可能性があります。 |
新しいゲームのルール | × | × | 自然法則を利用していないので特許も実用新案も取れません。 |
新種の微生物 | × | × | 天然物の「発見」は創作されたものとは言えないので特許も実用新案も取れません。 |
新しいバッティング技法 | × | × | このような練習によって獲得する個人の「技能」は特許も実用新案も取れません。 |
新しい手法を使った絵画 | × | × | 絵画や彫刻等の美的創作物は技術的思想ではないので特許も実用新案も取れません。なお、「新しい手法」自体が技術的思想である場合、この「新しい手法」については特許を取れる可能性があります。 |
特許・実用新案を取るための条件
特許・実用新案を取るためには様々な条件を満たす必要があります。主な条件としては、以下のようなものがあります。
産業上利用できること
商業、農業、漁業、運輸業、通信業などを含む広い意味での「産業」として実施できる必要があります。ただし、医療行為は「産業」に含まれないとされており、人間を手術する新しい方法などは特許・実用新案にはなりません。
新規性があること
発明が、これまでにない新しいものである必要があります。すでに誰かが使用していたり公表されている技術は特許・実用新案になりません。
進歩性があること
現在すでに知られている技術からその分野の専門家が簡単に思いつく発明は認められません。
先願主義
誰よりも早く特許庁に出願する必要があります。いわゆる「早い者勝ち」です。
公序良俗に反しないこと
公の秩序、善良の風俗、公衆衛生を害するような発明は認められません。
ここで紹介した以外にも細かい条件や例外があります。「こんなアイデアは特許・実用新案になるの?」と思った方はぜひご相談ください。